小説・夢を売る男
こんにちは!
例年と変わらないタイミングで夏休みが明け、ようやく授業が再開しました。
そうはいってもあいかわずのオンライン授業なので、読書の秋を満喫しています!
今回読んだのは
夢を売る男 百田直樹
とても簡単にあらすじを書くと
才能のない一般の人間たちに言葉巧みに自費出版を持ちかける…
というお話です
※ここから先はネタバレ注意!
「小説家は一部と除いてくだらないものを生み出しているだけ」という主張を何度も繰り返すために、今自分は価値のあるものを読んでいるのかと考えさせられました
裏取りをしたわけではないので真実はわからないですが、おそらく実際のデータや実感をもとに現代の小説業界を考察し批評しているのでしょう
発言にとてもリアリティが感じました
そのリアリティがより、今自分が無駄なことをしているのではないのかという不安を駆り立てるのです!
もしかしたら粗悪に作られた駄作を、それに気づかずに読んでいるのではないのかと変にドキドキしてしまいました
それは私が購入した本の裁断が丁寧でなく紙同士がくっついてしまっていたせいかもしれないです…
思わず、「この本も無名の自費出版ではないか」と作者と出版実績を確認しました
そもそもこの本を読んでいる時点で読書に関心がある人が多いのに、その本好きの読者を冒涜しているよう途中で感じていました
しかし最後にほんの一握りの「価値のある小説家」の存在を示唆することで読後、すこし希望を感じました
主人公も悪い人間ではないのだと、性善説を支持したくなるようなラストです